図1 LTE通信プラットフォームの概要(発表資料より転載)
図1 LTE通信プラットフォームの概要(発表資料より転載)
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 NTTドコモ,NEC,パナソニック モバイルコミュニケーションズ,富士通の4社は,次世代の移動体通信方式であるLTE(long term evolution)に対応する端末用通信プラットフォーム「LTE-PF」を共同開発したと発表した(NTTドコモの発表資料)。LTE-PFは,LTEのベースバンド処理を行うチップセットと,LTEの通信制御ソフトウエアからなる(図1)。今回4社は,ベースバンド処理用チップセットの試作品の開発を終え,主要な機能の性能評価を進めていることを明らかにした。

 携帯電話機やデータ通信カードなどの端末に向けたLTE-PFは,3GPP(3rd Generation Partnership Project)が標準化を進めるLTE規格に準拠し,受信時最大100Mビット/秒,送信時最大50Mビット/秒のデータ伝送速度を実現する。W-CDMAおよびGSMの通信プラットフォームとの連動によって,LTE通信エリアからの出入りの際にLTEとW-CDMAやGSMとの間での円滑な切り替え(ハンドオーバー)を行う機能を備えた。

 ベースバンド処理用チップセットをどの企業が製造するのかといった点は明らかにしていない。4社は,国内外の携帯電話機メーカーや通信チップセットのメーカーにLTE-PFをライセンス提供することを検討しているという。

 4社は,2009年10月6~10日に幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2009」と,2009年10月5~9日にスイスのジュネーブで開催される「ITU TELECOM WORLD 2009」において,今回の開発成果の一部を展示する予定である。


<お知らせ>日経エレクトロニクスは,CEATECの10周年記念として開催する「NEテクノロジー・シンポジウム2009 @CEATEC 」で,LTEの端末開発に関するセッションを開催します。LTE端末には,現行のW-CDMA/CDMA2000やGSM,そしてLTEの送受信機能が必要になります。こうしたマルチモード/マルチバンド端末のRF回路には,多数の機能を集約できる高機能デバイスが求められます。こうしたRF回路の最新トレンドについて,開発に取り組むデバイス・メーカーが解説します。プログラムの詳細はこちら